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第40回 「北風と太陽」 
Author : セルナジャヤ 高橋
Posted: 2008-10-24 00:00:00 | Category:
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第40回 「北風と太陽」 

イソップ童話の「北風と太陽」を皆さんご存じですか? 北風と太陽が力比べをすることになり、旅人の上着を脱がすことができるか勝負する物語です。まず北 風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとしたところ、寒さを嫌った旅人がかえって上着をしっかりと押さえてしまい、脱がせることができなかった。次に太 陽が燦々(さんさん)と照り付けると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった-という話ですね。厳罰で臨む態度と寛容な対応とを対比 した例えです。

 ◇手早く強引、逆効果 分かりやすく説明を
 先日訪問したある日系企業の社長は、「インドネシアではまず太陽方針を採 り、その後に雨を降らす!」とおっしゃていました。ユニークで含蓄ある言葉だなあと思いました。この会社の従業員から昇給の要望があり、労働組合の代表と 話をした時に理由を尋ねると、「欲しいから」との返答で、さすがにあきれたそうです。

時間をちゃんと設け、データに基づき理由付けし、結果としていくら希 望なのか、
具体的な数字を提示するよう要請したそうです。新たに従業員を採用した時も
「なぜ彼の給料はこんなに高いのか? 不公平だ!」と文句を言う従業 員もいたそうです。経験、能力、学歴、役職など具体的な違いを挙げ、その分だけ「給料に差があって当然で不公平ではない」と説明し、納得させたそうです。

  「従業員たちは平等の意味を理解していないし、『権利=自由』と勘違いしているところがある。何でもじっくり論理的に話を進めていかないと堂々巡りになる だけ」と、
この社長はおっしゃっていました。インドネシア人従業員とのミーティングの際はできるだけホワイトボードに表などを書いて、分かりやすく説明す るよう心掛けているそうです。

 このコーナーで、「日本では当たり前のことが、インドネシアでは当たり前ではない」と何度かお話ししてきました。 「インドネシア人はできないのではなく、どうしてよいか分からない、知らないだけ」とあるセミナーの講師もおっしゃっていました。こうしたギャップは文化 や環境の違いなどから生じるものもあります。

 冒頭の「北風と太陽」から学べるように、「手早く強引に物事を片付けるより、確実に行う方が最後は 効果を上げることができる。厳しい態度で接すると、人はかえってかたくなになり、暖かく優しい言葉や態度により初めて自発的に行動してくれる」という教訓 です。プライドが高いといわれ、人前で怒鳴った日本人幹部の追放運動まで起きたことがあるインドネシアの人々に、まさに当てはまるのではないかと思います。

時事速報インドネシア便掲載

 

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