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第31回 現地化に不可欠な管理者育成
Author : セルナジャヤ 高橋
Posted: 2007-11-09 00:00:00 | Category:
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第31回 現地化に不可欠な管理者育成

「ローカリゼーション」、すなわち「現地化」と言う言葉をよく耳にします。「いつまでも高コストのかかる駐在員に頼るのではなく、現地社員による運営管 理」を意味します。「ローカリゼーション」を進める上で、駐在員に代わる信頼のできる管理者と優秀な人材は不可欠ですが、その確保が一番難しく、苦労され ている企業も多いのではないでしょうか?

 ◇昇進した途端に勤怠、心得きちんと説明を

 先日、某日系企業のご担当者が 「インドネシア人の管理者は人を育てることができない!スタッフが育つと自分の評価にもつながることを何度説明しても理解してもらえない!管理者の立場が 分かっていない…」と嘆いておられ、「インドネシア人は、どうも
下が育つと自分を追い抜かすのではないか?と考えるようで、どうしてそのような考えになる のだろうか…」と疑問に思われていました。

 そこで、なぜそのような発想になるのか、弊社のインドネシア人のマネジャーに尋ねてみたとこ ろ、
(1)インドネシアは人口が多い割に仕事が少なく(2006年就職率53%)、
   養わなければならない家族も多いので、今の職を失いたくない
(2)教育 レベルが低いため、人を育てる要素を供えていない
(3)会社に対して忠誠心が乏しい
などが反映しているそうです。このため保守的になり、長期的なスパン では考えられず目先のことを優先する傾向が強く、会社全体を考えるよりも自分の立場を考えてしまうのだろうとの見解でした。さらに、「インドネシアは約 350年もの長い間、オランダに支配されていたので指導するのに慣れていないのよ」と言っていましたが、もしかすると、歴史的な背景も影響しているのかも しれません。

 また、管理者については「スタッフとしてはまじめで優秀だったのに、マネジャーに
昇進した途端、仕事をしなくなった!」 「自分は何もせず、部下に偉そうにただ指示をするだけ!」と言った話もよくお聞きします。単に「昇進=昇給」と喜び、「タイトルをもらい、偉くなった!」 と責任の重さを考えず、リーダーシップの意味を勘違いしている者も多々いるようです。確かに、インドネシアは「優秀な管理者が不足している」と言われてい る理由の1つに、「指導能力の欠乏」が挙げられますが、マネジャーなど管理者自身の多くは、管理者としての役割や任務、管理方法を知らないように見受けら れます。

スタッフを育成する前に、まずは管理者を徹底的に教育することが必要だと思います。社員を昇格させる際には、(1)なぜ抜擢(ばってき)されたか (2)会社は何を期待しているか(3)管理者としての心得や役割をきちんと説明することから始めなければいけないと思います。

時事速報インドネシア便掲載

 

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