2011年は日系を含む外資企業の会社設立ラッシュがスタートし、今年も設立ラッシュの“熱”はやむところを知りません。最低賃金の問題が騒がれる中、2012年度の大卒者以上の賃金はどう変化するのでしょうか。まず、12年度の賃金相場を予測してみましょう。
役職名 経験年数 基本賃金(所得税差し引いたネット額) スタッフ 新卒~経験3年程度 230万ルピア~330万ルピア シニア・スタッフ/リーダー 経験3~5年程度 300万ルピア~450万ルピア スーパーバイザー 経験5~8年程度 400万ルピア~650万ルピア アシスタント・マネジャー 経験7~10年程度 600万ルピア~900万ルピア マネジャー 経験10年以上 900万ルピア~1500万ルピア シニア・マネジャー 経験15年以上 1500万ルピア以上 ゼネラル・マネジャー 経験20年以上 2500万ルピア以上 ※上記賃金相場は2011年度の弊社リクルートサービスの実績に基づき推測した額です。 ※上記賃金額は日本語人材など特殊な能力を持つ人材を除きます。 ※上記賃金額は所得税を差し引いた「基本賃金」であり、福利厚生は含まれません。 ◇最低賃金上昇によるボトムアップ 最低賃金の決定に大きな波紋が広がりましたが、その影響でこれまで抑えられていたとされる「大卒スタッフクラス」の賃金大幅アップが予想されます。ブカシ地域では未だに初任給を150万ルピアで設定する企業もありますが、各地域が定めた最低賃金額との差が縮まる、または逆転現象が起きるため、混乱を防ぐためにも、少なくとも大卒1年目の従業員に対し、最低賃金とは20万ルピア~30万ルピア以上の差をつける必要があると考えます。 ◇引き合いの強いマネジャークラスの転職 最低賃金のアップと関連性は薄いと考えますが、2011年度の新規設立企業によるマネジャークラスの採用ラッシュで、賃金相場は高騰していると言えます。これまで“高給ゆえに”転職が難しかったとされるそれら人材が、こぞって“予算を設けない”新規設立企業へ転職する現象が生まれました。設立を果たす企業としては何よりも経験豊富なマネジャークラスの獲得を急ぎますので、少なくとも現在の20%増しで採用がかなっているのが現状です。また、人材からしてみれば、設立におけるセットアップという貴重な経験を得られ、自身の希望する組織作りができ得るという利点が、転職に拍車をかけているといえます。 ◇なぜ、マネジャークラスの獲得を急ぐのか 現在の新規設立企業の典型的な特徴として、日本からの駐在予定者が平均1人~2人程度と少ないことから、是が非でも駐在員の右腕となる人材獲得が最優先されます。早期の基盤づくりを行うため、有能であると判断した場合、相場を超える賃金額で採用されることもありました。賃金額で測れない“経験と実績”が求められているのです。 上記相場額はあくまで予測であり、各企業の状態や地域・業種により異なりますので、ひとつの参考としてお汲み取りいただければ幸いです。
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