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第35回 不正発覚時の対処 Author : セルナジャヤ T Posted: 2008-03-28 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア Share this post :
第35回 不正発覚時の対処経費削減対策として購買部に焦点を当てて徹底調査した結果、担当者による金額のごまかしなど不正が発覚し、その従業員を解雇して高給だが優秀な人材を新た
に採用した-というお話を以前紹介しました。結果として、経費削減に大変効果があったという事例で、先日もこの会社と同じようなお話を聞きました。
◇問題の担当者を解雇、改善断行の姿勢大切
こちらの会社も、「会社の収益を考えたとき、購買がポイントになった」そうです。それまでは購買についてはあまり日本人が監督しておらず、インドネシア人
スタッフに任せきりだった結果、価格・数量チェックもせず、スタッフは見積りも取らず、好き勝手に行っていたそうです。長年勤務していた従業員たちの間で
はそれが当たり前のようになっており、サプライヤーとのつながりの疑いも浮上したそうです。
これまでのやり方を排除するため、改革の第一歩とし
て思い切って当時の購買部の従業員をすべて解雇し、担当者の総入れ替えを試みたとのこと。日本人の購買部責任者には解雇された従業員から嫌がらせのメール
が送られてくるようになったそうですが、「徹底的に体制を整え直すには一掃しなければいけない」と初志貫徹。新システム導入に取り掛かったり、忙しい駐在
員に代わって管理・指導できる日本人を現地採用するなど、まさに“改革中”で「まだまだこれから」とおっしゃっていましたが、少しずつ本来の購買のあるべ
き姿になっているようです。
このようにインドネシアでは購買・人事・経理担当においては金銭絡みの不正が多いです。購買では先に述べたように、
「サプライヤーと組んで数量・価格をごまかす」「一定のサプライヤーから仕入れる代わりにバックマージンを受け取る」が最もよく聞かれます。人事では「採
用する代わりに礼金を受け取る」「人事の特権を乱用し、家族・親類の縁故者や友人を採用」、経理では「帳簿をごまかす」「会社のお金の使い込み」が最もよ
く聞かれる不正です。
日本では「信頼できる人」が求人条件に挙げられることはありませんが、インドネシアではこれらのポジションの求人依頼を受ける際には「信頼できる人」を真っ先に条件に挙げられることが多々あり、こうした従業員の確保がどれだけ難しいかがうかがえます。
先に述べた会社の担当責任者への嫌がらせはメールだけですが、解雇された従業員やその家族から悪質な脅迫を受けるケースもあり、万が一に備え日本人責任者
にボディーガードを付けたという、日本では信じ難い話も何度か聞いたこともあります。確かに大改善や解雇にはリスクを伴う可能性があり、インドネシアの労
働法をみて解雇にちゅうちょされる企業もありますが、不正には断固たる姿勢で臨むことで、企業の在り方を従業員に示すことも必要だと思います。
時事速報インドネシア便掲載
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