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第5回 増える日本人の現地採用
Author : セルナジャヤ 高橋
Posted: 2005-06-16 00:00:00 | Category:
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第5回 増える日本人の現地採用


最近、インドネシアで日本人の現地採用を積極的に行う企業が増えてきています。実際に、弊社の求人依頼や求職者登録も確実に増えていますし、日本人の現地 採用経験がない企業であっても、また正式な求人依頼でなくても、「良い日本人がいたら検討したい」と頻繁に言われるようになりました。

 ◇必要な長期の管理者、経験者以外に新卒も

 では、なぜ日本人の現地採用が増加傾向にあるのでしょうか?
  日本人営業を探していた某日系企業に、たまたま日本語の堪能な営業経験のある
インドネシア人の人材がいたので紹介してみたところ、「日本語を話すだけでは だめ。日本人には日本人によるサービスが必要で、日本人であることに意味がある」と言われました。日系企業だけではなく、日系企業と取引のあるローカル企 業や外資系企業も日本人を採用しており、「日本人スタッフがいるというだけで客の反応が違う」とよく聞きます。

 以前、「ローカリゼー ション」すなわち「現地化」について触れたことがありました。運営・管理すべてをローカルスタッフに任せられればいいのですが、国民性の違いなどから現実 的にはとても困難で、四苦八苦している企業も多く、ローカルスタッフを管理・指導する人材が必須です。高コストな上に、任期3-5年で帰国する駐在員に代 わって長く働ける日本人が求められています。

 現地就職希望の理由はさまざまですが、学んだインドネシア語を生かして仕事をしたい、イン ドネシアに魅了され、大好きなこの地で働きたい、インドネシア人と結婚し、こちらに住んでいるから-などが主です。インドネシアとなんらかの「縁」がある 方々なので、現地の言葉・文化を理解し、ローカルスタッフとの円滑なコミュニケーションを図れる能力が期待できることも1つのメリットです。

  また、日本人の現地採用の依頼を受ける際、業務内容を訪ねると「何でも屋、のような働きをしてもらいたい」と言われることがあります。これは、例えば女性 求人に多い「総務」の場合、秘書的業務、通訳・翻訳、駐在員のアシスタントまでいろいろと頼みたいという意味なのでしょう。確かに、日本人の求職者は、暗 黙の了解でどのような担当になるか理解されています。
 
 前回の「フレキシブルな人」でも述べましたが、もし、ローカルスタッフに対して 「何でも屋」の要素を求めるなら、ジョブディスクリプションに詳細に盛り込むことを求めてくるでしょうし、受け入れられにくいでしょう。日本人であるが故 に、「何を言いたいか分かってくれる」「仕事がスムーズにいく」という側面があることも大きな理由の1つです。ただし、あらかじめ職務範囲を明確にしない まま、あれもこれもと業務を任せることは摩擦の原因になります。やはり、採用時の雇用契約書に業務内容を明記しておくことが、後々の問題回避になりましょ う。

 以前は「現地採用」というと、男女こだわらずインドネシア人と結婚してこちらで生活している方がほとんどで、「即戦力=経験者」を 求める企業が圧倒的でした。しかし、最近では経験よりも「やる気」を重視し、経験がない故にかえって指導しやすかったり、
待遇面も経験者より給与が比較的 低水準で雇用できることから、新卒者を積極的に採用する企業も増えてきています。

 一方、駐在経験のある50-60代のUターン就職者も増えてきています。
求職者のやる気と経験を釣り合わせ、バランスよく考えるのが賢明かもしれません。
今後の人事を考える上で、現地採用も1つのオプションとして検討してみてはいかがでしょうか?

時事速報インドネシア便連載

 

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