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第38回 「物価と交通運賃の高騰」
Author : セルナジャヤ 高橋
Posted: 2008-08-15 00:00:00 | Category:
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第38回 「物価と交通運賃の高騰」

国営電力PLNの電力供給問題対策として、操業日の週末移動が5大臣の共同規定で義務付けられ、8月初めより実施されています。実施対象となった製造業を 訪問した際に、日本人責任者が「今はまだ従業員からの大きな反発はないが、レバラン(イスラム断食明け大祭)に向け不安だ」とおっしゃっていました。

 ◇懸念される不満噴出 通勤手当対応に苦慮 

  この会社には労働組合がないため、操業日の移動について従業員とは特に話し合いの場を設けなかったそうです。不安に思われているのは操業日を週末に振り替 えたこと自体ではなく、それをきっかけにBBM(石油燃料)価格の高騰に伴う物価上昇に
不満を募らせた従業員が騒ぎ出すのではないか-ということでした。 操業日の週末移動は週40時間を超えなければ残業手当が支給されないことに加え、2年7カ月ぶりに実施された石油燃料値上げに対する交通費増額などは行っ ておらず、レバランに向けた帰省費用など、これから何かとお金が必要になる従業員たちが黙っていないのではないか、と心配されているそうです。

 さらに近隣の工場やグループ会社で通勤手当の増額支給や労働組合と折衝問題が起こった場合、便乗して騒ぎ出す可能性がもっと高くなるだろうと懸念されていました。

 従業員向けに一定の場所まで送迎バスを出しているそうですが、そのコストも当然
大幅に拡大し、あらゆる面で企業の負担も増えているので、現状では対応するのは無理とのことでした。

  石油燃料は平均29%値上げされましたが、政府は交通機関の運賃や物価の上昇を20%までに抑えるよう指導していたそうです。実際にはメトロミニ(小型公 共バス)やアンコット(乗り合いミニバス)、オジェック(二輪タクシー)など一般市民の足となっている交通手段の中には40%近く値上げされているものも あるらしく、弊社でも「交通費の占める割合が大きくなり、これではやっていけない!」と訴える登録者も増えているようです。

 7月のイン フレ率も前年同月比11.9%に上昇したとのことですが、従業員の要望に応え、昇給時期を待たずに通勤手当を増額した企業の話も日系に限らず何社かから
聞 きました。ちなみにお聞きした増額率の平均は約20%でした。これらの影響を受け、これまで以上に会社近辺に自宅のある者や会社周辺での下宿を採用条件とする
企業も増えるのではないかと思われます。

 インドネシア人はとてもオープンに給料・手当の情報を交換し合います。従業員同様、企業側も同じ工業団地内やグループ会社と頻繁に情報交換し、横のつながりを築くことも重要になるでしょう。

時事速報インドネシア便掲載

 

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