|
第30回 ジャパニーズ・スピーカー(3) Author : セルナジャヤ 高橋 Posted: 2007-10-05 00:00:00 | Category: Share this post :
第30回 ジャパニーズ・スピーカー(3)今回は、ジャパニーズスピーカーの中でも日本語能力検定試験で最も難しく、ハードルの高い日本語能力試験1級取得者の特徴についてお話ししたいと思います。
◇留学多い1級取得者、日本のマナーも理解
日本の国立大学に進学する留学生は、日本語能力試験1級取得が条件となっているように、1級取得者のほとんどが日本留学経験者です。まず日本語学校で日本語を学んだ後、日本の大学に進学、卒業というふうに日本滞在期間が5-6年間という者が多いです。専攻は、男子の場合は「電気・電子・機械関連」が多いよ
うですが、女子の場合はあまり共通性がみられず、最近は男女ともに「情報技術(IT)」の専攻者も増えているようです。男女の割合では、1級取得者は圧倒的に男性が多いです。
学生時代にファストフード、ファミリーレストランなどの飲食店、コンビニエンスストア、工場などでアルバイトを経
験している者も多く、日本留学経験者は単に日本語ができるだけでなく、日本の文化や生活習慣を理解しており、さらに日本で働いた経験がある者は日本のビジ
ネスマナーも心得ているというメリットがあります。
採用条件に「日本留学または就労経験者」としている企業もあります。また、日本の大
学を卒業している者の大半は、英語もある程度(コミュニケーション可能なレベル)できるので、企業としてはとても貴重な存在です。そのため、給料も高く
なっており、たとえ“新卒”であっても1級取得者であれば400万ルピア~が相場となっています。ジャパニーズスピーカーはたくさんいますが、日本語能力
試験1級取得者となると全体の1割にも満たず、横のつながりも強く、お互いに情報交換を行っているようです。
日本語能力試験1級取得者
をみていると、キャリア形成について大きく2つのパターンに分かれています。1つは「語学力を生かして“フリーランス”として通訳・翻訳者となる」者。こ
のパターンを希望するものは、単発の仕事を好む傾向にあるようです。 もう1つは、「通訳・翻訳業務を主とするのではなく、企業に属し専門的なキャリアを 磨
き、日本人の右腕となって活躍できるポジションを目指す」者。これらを希望する者は、雇用形態も正社員を好みます。
日系企業が海外でビ
ジネスを展開するために“なくてはならない”存在のジャパニーズスピーカー。一言でジャパニーズスピーカーといっても各企業のニーズによって求められるレ
ベルも人材も異なります。採用の際には、 (1)なぜジャパニーズスピーカーが必要なのか (2)どのレベルを求めているのか (3)担当業務内容 (4)給料予算はいくらかを検討し、明確にすることが“適材”採用へのキーポイントだと思います。
時事速報インドネシア便連載
|
|
Categories
|
|