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第84回 「日本人現地採用の動向」 Author : セルナジャヤ 森 Posted: 2012-07-09 00:00:00 | Category: 時事速報インドネシア Share this post :
第84回 「日本人現地採用の動向」
第84回 「日本人現地採用の動向」 |
日本人の現地採用の動向は、2008年のリーマン・ショックを機に大きく変わってきています。その動向についてお話をしてみましょう。 ◇日本の不況とインドネシアの好景気 日本が大不況を迎えたために国内でリストラが相次ぎ、若ければ対象者は40代からという会社もあります。一方、インドネシアでは業界によっては生産が追いつかないほどの好景気を迎えており、企業の中には、売り上げが日本の本社を超えたという中小企業もあるほどです。特に、生産部門においては日本国内の生産が縮小されている関係上、国内の人員が余剰となってしまっており、日本本社の人員をインドネシア支店や工場へ出向させ、インドネシアが好景気の間、雇用を守ろうとする会社が増え続けているようです。 ◇即戦力のニーズが減少 上記の通り、インドネシアで即戦力となり得る駐在員が増えたために、リーマン・ショック前まで採用が盛んであった現地採用の「40歳以上の即戦力」という案件が減ってしまい、それら人材を求める求人がない月が数カ月間も続くことがありました。 ◇増え続ける若手人材のニーズ 2010年より日系メーカーの会社設立ラッシュが本格化し、11年にはインドネシア全土での日本大使館・総領事館への在留届出者数が1万1000人を超えました。 多数の人員を抱えるメーカーが増えるということは、日本人滞在者数だけでなく従業員数が増えることにもつながるため、メーカーを取り囲む産業が活発化し、特に商社、保険、金融、サービス業といった業界では、営業の増員採用を続け、リーマン・ショック前の3倍の人員となった企業もあるほどです。そして、そこに現地採用の若手人材のニーズが当てはまり、35歳以下のとりわけ女性のニーズが高まってきています。 ◇なぜ女性が求められるのか インドネシアは欧米や香港、シンガポールと異なり、本社より女性駐在員が出向させられることは少なく、大多数が男性駐在員となります。そこで、営業職やカスタマーサービスといった職種では、女性を起用することで、男性が比較的弱いとされる仕事の細やかさやソフトさを確保する必要があります。秘書や総務といったアシスタント職でも、女性が強いとされる語学力や事務処理能力が重宝され、男性よりも女性の活躍場所が増えています。同時に女性の従業員を増やすことにより、企業のイメージアップを図っているようです。 また、男性が大多数となる駐在員の視点で見ると、同じ男性が転職して入社してくるよりも、相手が異性であれば上下関係の壁も薄くなり、仕事がしやすいという一面もあるようです。もちろん、接待が求められる職種や技術職などでは男性の雇用がほとんどとなります。 ◇女性候補者は企業へ何を求めるのか まず、多くの候補者に一貫して言えることは、日本で働いていたときは「女性だから」と責任ある職に就かせてもらう機会が乏しかったということです。そのため海外へ飛び出してきた女性もいますが、それら日本での就業経験者の場合は、責任ある仕事を任せられるのかどうかが決め手となることもあります。 また、男性に比べ、生活にも重きをおく傾向が強いとされるため、基本給以外に「住居費」や「アパート貸与」といった福利厚生を提供される企業に人気が集中するようです。 |
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